Saturday 20 October 2007

ルーベンスの家

アントワープは17世紀にルーベンスが活躍した町。ということで、私のアントワープ観光はルーベンスの家からスタートしました。
朝一番に行って正解でした。庭も家も誰もいないんですもの。10分後くらいに、団体観光客がどっと押し寄せてきましたけど・・・。
家の敷地内に入ると、まずイタリア風のアーチがあります。ルーベンスはイタリア滞在中(1600-08年)絵画だけではなく、建築学にも興味を持っていました。アーチの上のブロンズ像はヘルメス(商業の神)とアテナ(知恵の神)です。
ルーベンス自身の希望で正門から中庭までまっすぐ続くように設計されています。17世紀のフランドル・イタリアン・ルネッサンス様式の庭が再現されています。ルーベンスもこの庭を散歩したことでしょう。
ルーベンスは最初の結婚の直後の1611年に、この家を購入しました。
家の中に入ると、応接室、台所、食堂、絵画彫刻の間、寝室、家族用居間などがあり、ルーベンスの絵や美術収集品を見ることができます。
次は、アトリエの見学です。2500点といわれるルーベンスの作品のほとんどがここで製作されました。といっても、ルーベンス一人でそれだけの絵を描けるはずはなく、作品の最終段階は工房の共同制作者たちに任せていました。共同制作者たちは、弟子だけではなく、絵画の特定分野(風景、動物、静物など)に熟練した親方たちも含まれ、絵画の仕上げを責任持って担当しました。
ルーベンスの原画をもとに工房で製作されれば、「ルーベンス作」になるのです。17世紀に、最も重要だったのはアイディアであって、最終仕上げではありませんでした。
アトリエの人に「大きな絵はどうやって運ぶのか」と質問したら、ドアの裏側を見せてくれました。ドアと窓の中間の石が外れるようになっています。そうやって大きな絵をアトリエから外に運び出すことができるのです。これからはルーベンスの絵を見るたびに、このアトリエのことを思い出すことでしょう。

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